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2009年9月 1日 (火)

衆議院選挙を振り返って

日曜日に衆議院選挙があり、自民党の大敗という結果で幕を降ろしました。



そこで、今回の衆議院選挙を振り返ってみて思うことなどを。





一連の流れの中で、底の浅さを露見してしまったのが東国原宮崎県知事。よせばいいのに、日曜日の選挙特番にもコメンテーターとして出演し、細田幹事長に情け容赦ない質問をしていました。


 「自民党の総裁にしてもらえるならば、行きましょう」
 「僕が行った党は負けません」
最初はジョークかと思っていましたが、本人は真剣だったんですね。


これを見ていたときに、これからの日本のトリックスターのあり方が本当にわからなくなりました。



トリックスター・・・・物語を引っかき回す存在として描かれるこのトリックスターの代表例は、シェークスピア『真夏の夜の夢』に出てくる妖精パックでしょう。日本書紀に出てくるスサノオなどもこれにあたります。


このトリックスター、異端ではないんですね。異端ではトリックスターにはなりえない。正統の中にいて物語をかき回す。異端とは、木枯らし紋次郎(アウトロー)なのであって、トリックスターはうっかり八兵衛なのです。


ところで、木枯らし紋次郎は単品でストーリーを描けますが、うっかり八兵衛主演のドラマは考えられません(そんなうっかりものだらけのドラマは、サザエさんでとどめを刺しています)。


この違いはどこにあるのか。それは「トリックスターは権威がなければ存在し得ない」という性質に由来します。






かつて西欧の宮廷には「道化(ザ・フール)」と呼ばれた役柄の人々がいました。これは、笑いをもって複雑な宮廷内の人間関係の潤滑油とする人たちですが、時には王様を笑い飛ばしたり、時には家臣をいじってみたり、その中で家臣が王様に言えないようなことをチクリと風刺したりもするのです。


私は最初、東国原知事が「道化」を演じているのだと思いました。それはそれとして立派な芸ですから。かき混ぜるだけかき混ぜておいて、橋下知事当たりと共闘して地方の優位性を釘指すのかな?・・・・と。


ところが、「自民党の総裁にしてくれるのならば」という発言をまじめに言っているあたりで、「これは本人も真剣なのか?」
おいおい、それじゃ「道化」が「オレを王様にしろ」と言うようなものじゃないかと、興ざめしたのでした。




東国原知事は師匠であるビートたけしを見習うべきだった。彼は、まさしく正統的なトリックスターですから。

ビートたけしはその芸と力量で、多くの芸能人を救ってきました。それはあたかも王様に向かって「まあまあ、この人も頑張ってるんだから」と失敗した家臣に助け船を出すように。

今でも覚えているのは、クイズ番組に出演した飯星景子をいじって、「一番成績の良かったチームには、飯星さんから壺と数珠がもらえます」と笑いをとったシーンです。会場中を笑わせることで、結果として飯星景子を救った芸。あれがトリックスターの芸なんだと感心したものでした。そうやって、失踪した若人あきらも救い、景山民夫も救ってきたビートたけしが、今度は小室哲哉をどうやって救い上げるのかを実は期待していたりもします。



そのビートたけしですら、今回の東国原知事を救うことはできなかった。「謝れ、とにかく謝れと説教したよ」としか言えなかったくらい、知事は失敗してしまった。

そりゃそうでしょう。道化が2人いて、後輩格の道化が「オレを王様にしろ」と言い始めたらどうなるのか。先輩格の道化は「すみません。二度とこんなこと言わせませんから」と謝るより他にない。前述したように、トリックスターは権威がなければ存在しえません。その権威を根こそぎ自分で逆転させようなんて、ウロボロスですよ。







Photo
ウロボロス。古代の怪獣であり、「∞」の元になるものです。


これ、ずーっと食べていくと最後にはどうなると思います?


消えてなくなって「無」になるのかと思うと、そうでもありません。位相幾何学(トポロジー)的に考えていくと、表裏がひっくり返って、今度はしっぽが頭を食べるようになるのです。



表が裏になり、正が邪になり、権力が反権力になる。



トリックスターが、己の依って立つところを見失うと、こんな現象が起きるのです。
まさに「トリックスターの悲劇(byバゲルス)」




しかし、我が国最大の「トリックスターの悲劇」は、マスコミそのものです。


そのあたりは、次回に譲りましょう。

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