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2009年11月14日 (土)

事業仕分けの功罪

目下のところ世間を騒がせている民主党の事業仕分け。この功罪について。


仕分け人の手元にはペーパーがあります。このペーパーの作成者は財務省主計局。つまり、今までの予算折衝が「財務省vs各省庁」との図式で行われていたものを、「仕分け人vs各省庁」という図式で行っているに過ぎません。

ただ何と言っても今回の事業仕分けの「功」の部分は、これを公開で行ったことでしょう。今まで闇に包まれていた予算折衝を公にしたことの意義は計り知れません。



しかし、報道を見ていた人々の胸中には
「こんな短期間でズバズバと切り捨てて良いものなの?」
との想いが去来したはず。


ひとつの事業が平均すると1時間程度で「廃止」「削減」「概算要求通り」と採決がくだされるのですから、極めて危険であることは間違いありません。


例えば、次世代スーパーコンピューターの研究開発費も大幅に事業費が削減され、これを聞いたときには正直目眩がしそうになりました。削減の理由は「別に世界一のスーパーコンピューターを目指さなくともいいじゃないか」というもの。

スーパーコンピューターというものは技術の要のような位置づけです。特に流体力学の研究にこれを欠くことはできず、流体力学は様々な分野に応用が可能です。ここでの遅れは基礎学問の発展の遅れに直結することでしょう。

さらに、仕分け人は若手研究者養成のための科学技術振興調整費(同125億円)と科学研究費補助金(同330億円)も削減しました。


技術立国日本の礎は、「人」です。ポスドクと呼ばれる若手研究者たちを手厚く保護することが急務なのであり、そこに金をかけないのならば人材流出にますます拍車をかけることでしょう。






これというのも、詰まるところ「まずは30兆円を浮かさなければならない」という民主党の党是があるからに他なりません。

事業仕分けの視点は「費用対効果」です。これは間違いありません。しかし、長期的視点に立たねば効果が見えてこない施策、効果が見えづらい事業というのも確実にあるのです。



事業仕分けについては、私も一般質問で「勝山市に導入してはどうか」と提案したことがあります。私の考える事業仕分けとは、
 ①国家の大目的を明らかにする。
 ②その大目的を達成させるための中長期的計画を明らかにする。
 ③その計画に沿った事業を立てる。
 ④従って、その事業が目的に合致しているかどうかを検証する(第1段階仕分け)
 ⑤事業の実施手法が正しいかどうかを検証する(第2段階仕分け)
 ⑥目的と実施手法が正しいことを確認した後に、予算が適正化否かと判断する(第3段階仕分け)
というプロセスを経ていくものです。



つまり、1時間程度でできるものではないのですね。事業仕分けは。


ましてや、国家の大目的すら明確ではなく、ただ単に「予算を浮かせなければならない」という目的ならば、やはりこれは「公開処刑」と呼ぶしかないのでしょう。













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